四十肩・五十肩が中々治らない方へ【原因と対策】
いつもブログをご覧頂きありがとうございます。
今日は四十肩・五十肩が治らない方の原因と対策について記事を書きました。
四十肩や五十肩は、3つの分類に分けられます。
- 炎症期
- 拘縮期
- 回復期
の3つです。
炎症期は発症したての時期で、何もしなくてもズキズキ痛んだり、夜寝ている時に痛みが強く出たり、少し動かすだけでも激痛が走ります。
この炎症期の場合は、しばらく安静にしていたりすると治ってくるのですが、中々治らないという方で多いのが拘縮期、回復期の方です。
拘縮期や回復期の場合、炎症期と違って強い痛みが減っても、肩の動かせる範囲が狭い状態になっています。
痛みは無いけど、肩を動かせる範囲が狭いまま何年も経過しているという患者さんが意外に多いです。
痛みは無いけど、肩を動かせる範囲が狭い人は、再度四十肩・五十肩になりやすい状態なので、しっかりと改善した方が良いです。
今回の記事が四十肩・五十肩で中々治らない方の参考に少しでもなれれば幸いです
四十肩・五十肩とは?
四十肩・五十肩は正式名称では無く、通称みたいなものです。
40~50代の方に多く発症することからそう呼ばれていますが正式名称は『肩関節周囲炎』となります。
五十肩の症状・痛みの種類と対策
肩関節周囲炎は簡単に説明をすると
- 炎症期
- 拘縮期
- 回復期
の3段階に分けられます。
炎症期はその名の通り炎症が起きているので、腕を動かせば激痛が、腕を動かさなくても痛みが続き、夜も眠れないぐらいの痛みです。
拘縮期は炎症期が治って強い痛みが無くなるも、炎症期で肩を動かさなかった影響が出て肩の動かせる範囲が狭くなり、一定範囲以上の動きをしようとすると痛みが出ます。
回復期は動かしてもさほど痛みなどは出ないものの、肩関節の動かせる範囲が正常になっていない状態です。
この3つに分類されるので、四十肩・五十肩といってもどのような症状なのか?どういう時に痛むのかで対応が変わってきます。
四十肩・五十肩は放置していると治る?
四十肩・五十肩を放置していたら痛みは無くなって肩も動かせるようになったと患者さんから言われる事があります。
詳しく患者さんの状態をチェックしていくと本当に肩の関節の動く範囲が回復している人もいれば、痛みは無くなっているが肩の動きが不十分な方もいらっしゃいます。
なので、痛み自体は良くなって行くが、本当の意味での肩関節の回復にまで至っていないケースもあります。
しかし、四十肩・五十肩の炎症期の強い痛みが過ぎ去っていくと、痛みが大分緩和されるので、患者さんからすると治った、というような感じに受け止められるのでは無いかと思ってしまいます。
痛みが無くなればOKという方もいらっしゃると思いますが、大事なのは肩関節の動きが十分正常な範囲を動かせているかがとても重要になっていきます。
なので、痛みが無くなっても肩関節が十分に動かせているかをしっかりとチェックしてください。
また痛みが無くなって肩関節の動きが十分に動かせている人でも、日常生活や使い方などを注意していかないと再発しやすいです。
四十肩・五十肩で治療をしているのに、何故中々治らないのか?
今現在、四十肩・五十肩で治療をしているのに中々治らない人や痛みが無くなったけど、肩関節の動きが不十分な方がいらっしゃると思います。
様々なケースやパターンが考えられるので、いくつか治りにくくなっている要因を書きます。
- 姿勢が悪く、背中を伸ばそうと思っても伸ばせない
- 頚椎のズレがある
- 胸椎・鎖骨・肋骨のズレがある
- 肩甲骨周辺の筋肉が固まっている
- 巻き肩がある
- 腰椎・骨盤のズレがある
- 股関節が内旋位に捻れている
- 足首が内巻きに捻れている
など、ざっとあげてもこれだけの要素があります。
肩関節に対してどのような影響を与えてしまうかを説明します。
姿勢が悪く、背中を伸ばそうと思っても伸ばせない
姿勢が悪く背中が伸びない状態だと、肩関節が上手く動かせなくなってしまいます。
ご自身でも背中を丸めている状態のまま肩関節を動かそうとしてもとても窮屈な感じがすると思います。
姿勢が悪くとも背中が十分に伸ばせる状態ならば良いのですが、背中が伸ばせないぐらいに固まっていると肩関節に影響を与えるのです。
頚椎のズレがある
画像のように頚椎から肩に繋がる神経や血管が出ております。
頚椎がズレるとこの神経と血管が圧迫され肩の筋肉を硬直させてしまうので、肩関節に影響を与えてしまいます。
胸椎・鎖骨・肋骨のズレがある
(画像左側:肋骨、画像右上:鎖骨、画像右下:胸椎)
肩関節と密接な繋がりがある胸椎・肋骨・鎖骨がズレると肩関節に影響を及ぼします。
肩関節を上げる時にサポートとして、胸椎・肋骨・鎖骨も動きます。
ご自身で肩関節を上げて見ると、胸椎・肋骨・鎖骨が動いているのが分かると思いますので確認して見てください。
この胸椎・肋骨・鎖骨がズレてしまうと、ズレている状態で胸椎〜鎖骨まで固まってしまいます。
その為、肩関節がズムーズに上げる事が出来なくなってしまうのです。
肩甲骨周辺の筋肉が固まっている
画像のように肩甲骨は肩関節と繋がっております。
肩関節を動かす時にこの肩甲骨も動いてサポートするのですが、肩甲骨周辺の筋肉が固まってしまっていると、肩関節も一緒に固まりやすくなってしまう為影響を及ぼします。
巻き肩がある
肩の内側には神経と血管が通っており、巻き肩になってしまうとこの神経と血管を圧迫してしまいます。
そうなると肩関節周囲の筋肉が更に固まりやすくなるので、肩関節に影響を及ぼしてしまいます。
腰椎・骨盤のズレがある
意外にも腰椎・骨盤のズレも肩関節に影響していきます。
画像の赤い部分は広背筋という筋肉です。
この広背筋の起始部は第5胸椎(Th5)~第5腰椎(L5)の棘突起、仙骨、腸骨稜、第9~12肋骨です。
広背筋の停止部は上腕骨に付着します。
つまり、腰椎と骨盤がズレると、広背筋にも影響が加わり、停止部の上腕骨にも影響を及ぼし、肩関節の動きを制限しやすくなってしまいます。
股関節が内旋位に捻れている
股関節も肩関節に影響を及ぼしていきます。
上の画像は筋膜の繋がりを示しているのですが、股関節が内旋位に捻れてしまうと、筋膜に影響を与えてしまいます。
股関節のねじれ→広背筋の緊張→上腕骨と影響を及ぼし、肩関節の動きを制限してしまうという流れになります。
足首が内巻きに捻れている
足首が内巻きに捻れていると腓骨(赤い部分の骨)側の筋肉に負担をかけてしまいます。
上の画像の青い部分は筋膜の繋がりの部分なのですが、足の外側の筋肉が緊張したり固まってしまうと、肋骨についている筋肉にも影響を与えてしまいます。
肋骨周りが固まってしまうと、肩関節の動きを制限してしまうのです。
四十肩・五十肩は肩だけを見ていても中々良くならない
普段通院している所でどのような施術を受けているかにもよるのですが、四十肩・五十肩は肩だけを施術していても改善しにくい傾向にあります。
私が見た経験値だけでも、股関節で肩が良くなった人や、頚椎のズレで良くなった人、骨盤のズレで良くなった人など、実に様々なケースがあります。
もし、これを見ている四十肩・五十肩の患者さんで中々治らないという方は、肩だけでなく他の部分が悪くなっていないかをチェックしてもらってください。
四十肩・五十肩で中々治らない方への対策
先ほど、四十肩・五十肩が中々治らない方の要因について説明をしましたが、対策としてはその要因の反対の事をするだけです。
しかし、ズレを自分で矯正したり、骨格に位置を修正したりするのは至難の技です。
対策としては、即効性があるものはあまりありませんが、それでも毎日コツコツと行なっていくと回復していく事があるので、そちらを紹介いたします。
毎日ウォーキングをする
ウォーキングはとてもコスト・リスクが少ない上に、全身をリラックスして動かすことが出来る、とても有効な運動です。
特に四十肩・五十肩で激しい運動をしてしまうとかえって筋肉を緊張させてしまう恐れもあるので、一日30分ウォーキングをすることによって適度に血流を良くして回復を促していきます。
特に、行う時間帯としては朝に行うのが効果的です。
朝日を浴びながら30分ウォーキングすることによって、夜に睡眠を取りやすくなるので、一石二鳥なのです。
アルコールはなるべく控える
炎症期にアルコールをとってしまうと、更に炎症を強くしてしまいます。
拘縮期、回復期でもアルコールをずっと摂取してしまうと体の水分も抜けやすくなり、筋肉や細胞に十分潤いが無くなるので固くなりやすい体質になってしまいます。
お風呂にゆっくりと浸かる
一日の疲れを取る上でも大切なことですが、血流を促進させて行くことで回復を促していけます。
炎症期の場合は、避けた方が良いのですが、拘縮期、回復期の場合は積極的にお風呂に使って血流を促進させてください。
睡眠をしっかりと取る
炎症期の場合は、痛くて痛くて睡眠をしっかり取れない事もあると思いますが、拘縮期、回復期では痛みは落ち着いてくるのでしっかりと睡眠を取りましょう。
睡眠は寝ている間に成長ホルモンを出し体の回復にとても大きな役割をしています。
睡眠不足であればあるほど体の回復力は低下していき、どんなに運動や施術をしていても回復しにくくなります。
スッキリとした睡眠をとれていますか?
同じ姿勢を1時間以上とり続けない
悪い姿勢でも良い姿勢でも1時間以上同じ姿勢をとり続けないようにしましょう。
同じ姿勢を1時間以上とり続けてしまうと血行不良が起こりやすくなります。
血液の循環は筋肉のポンプ作用で全身をくまなく巡っていきます。
しかし、動きが無い状態が1時間以上続いてしまう事で血液の流れは停滞します。
そうすると筋肉を固めやすい状態に陥ってしまうので、1時間経つ前に体を伸ばしたり、歩いたり、肩関節をゆっくりと大きく動かすなどをして固めないようにしましょう。
ストレッチも有効だが。。。
ネットやYouTubeで四十肩・五十肩に効くストレッチや体操など沢山の情報があります。
しかし、四十肩・五十肩といっても足首が影響を出している場合もあれば、頚椎のズレが影響を出している時もあり、股関節が影響を及ぼしている事もあります。
つまり、肩関節に対して動かしたりストレッチをするのも良いのですが、肩関節だけの問題では無いことが多いので、肩関節を動かしたりストレッチをしても効果が少ないですし、かえって悪影響の場合もあります。
先ほどの対策方法は四十肩・五十肩以外の症状にも使える基本中の基本ですが、本来人間は規則正しい生活をしていれば、自然回復力が働き回復していくものです。
基本中の基本が崩れてしまっては、運動もストレッチも無駄になります。
歯で例えれば、虫歯を歯医者で治しても、歯磨きをさぼったらまた虫歯になります。
四十肩・五十肩でも同様に基本中の基本を怠ると再発もしますし、回復もしにくくなってしまいます。
運動・ストレッチはやることは全然良いのですが、基本中の基本をやった上で行うことをオススメします。
当院の四十肩・五十肩への施術方法
当院での施術方法はこれまでの記事の内容に対して施術をしていきます。
四十肩・五十肩への施術方法を簡潔に言うと
- 頚椎・胸椎・鎖骨・肋骨・腰椎・仙骨・骨盤のズレを整えていく
- 解剖学的肢位(理想の姿勢のポジション)に体を整えていく
- 筋肉の硬結や筋膜の癒着を解消していく
という事をします。
先ほども説明をした通りなのですが、四十肩・五十肩といえど十人十色で、ある人は頚椎で、ある人は腰椎で、ある人は足首で、などなど反応するポイントは様々なので、実際に患者さんのお身体の状態を問診・検査をしてその人に必要なポイントを絞って施術をしていきます。
当院でメインで取り扱っている施術法についてはこちらの記事をご覧ください。
モルフォセラピーについて
施術の特徴
まとめ
- 四十肩・五十肩は放置して良くなるケースもあれば、痛みは無くなるが肩関節の制限が残ったままのケースがある
- 痛みがなくとも肩関節の制限が残ったままの方は再発しやすい
- 四十肩・五十肩の方で中々治らない方は肩関節だけ見ていても良くならない
- 全身の状態を見て施術していく事で回復しやすくなる
- 運動やストレッチも大切だが、基本の対策をしっかりとしていく事が重要
金町南口整骨院
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